色とりどりの仮面と衣装であふれる伝統的な大イヴェント

カーニバルの歴史は10世紀に公共のお祭りとしてヴィターレ・フェリエール総督が”カーニバル”の言葉をほのめかしたことからはじまる。独特の仮面や衣装で身分を隠せたことにより階級などを気にせず思い存分人々は仮面舞踏会を楽しみ、同時に社会秩序やモラルを厳格に制限していたヴェネツィア共和国が生み出していた緊張や陰気さのはけ口としての歓楽でもあった。毎年2月に開かれるカーニバルは木曜グラッソの前土曜から翌週のマルディグラ(火曜グラッソ)まで11日間続く。かつては6週間も続いたいたが、現在ではこの大イヴェントにあやかりコンサートや展示会、シアターなど市のいたるところで小さなイヴェントが開かれる。また個人的にパーティーや宮殿内の仮面舞踏会などが催され、当時の伝統的な豪華さは今もかわらず息づいている。サンマルコ広場で行われる”マリア祭”は若い美しい女性を12人選出するコンテスト。選ばれた女性はカーニバルの華やかな行進に参加できる。また広場の鐘楼から舞い降りる”天使”のショー(天使の飛翔)はとても感動的。

マリア祭(Festa delle Marie)

カーニバルの前に行われるいわゆる”ミスカーニバルコンテスト”。12人の美しい若い女性が選ばれ、カーニバル時期の最初の土曜日にサン・ピエトロ・ディ・カステッロ教会を出発し、旗の翻る中の行進で音楽隊や、当時の衣装をまとった行列の先頭を切って、込み合った観客の中をスターのように華やかに行進しサンマルコ広場に到着する。翌日にはさらに12人の女性の中から優勝者の1人ミスマリア”Maria dell'anno"が発表される。

天使の飛翔(Volo di Angelo)

サンマルコ広場の鐘楼からドゥカーレ宮殿へつながれたロープに舞い降りる”天使”のショー。降下半分の地点で天使は詰められた腹部の蓋を開け、下方の広場の観衆へたくさんの紙ふぶきやお菓子、小さなプレゼントなどを撒き散らす。

仮面と衣装(Le maschere e i costumi)

様々なコスチュームはすべてが個性的。アクセントに欠かせない羽根や扇子、ステッキなどは衣装をさらに華やかにする基本アクセサリー。

仮面(Maschera)

様々な色と種類の仮面があり、シンプルに目を隠すのみの仮面や、顔面全体を覆うもの、またくちばしのある仮面はペストが流行った時代に使用されたもの。

衣装(Costume)

17~18世紀の娯楽場での衣装を再現したもの。派手な色とデザインで身を包んだ独特のドレスはまさにファッションショー。それぞれが豪華で丹念な作り。

SNSでシェア!

このエントリーをはてなブックマークに追加