メキシコシティの旧市街の中心、ソカロに位置するテンプロ・マヨール。ここは元々アステカの都テノチティトランがあった場所で、自らをメシーカと呼んでいた人々の大神殿がありました。しかしソカロの中心部、それもカテドラルや国立宮殿の横にありながら、その存在を知らない人も多いようです。
1978年に地下の電気工事が行われ、その際にアステカ時代の円盤彫刻が見つかり、そこには神とされるものが描かれていました。本格的に調査をすると、アステカの大神殿があったことがわかりました。世界で3番目に大きいテオティワカンの太陽のピラミッドより大きかったのではと言われています。現在見つかったテンプロ・マヨールは当時の神殿の基礎部分です。スペイン人が征服した際に、政治的・宗教的権力を示すためアステカ文明の神殿などすべて壊し、その上にスペイン風の建築物を建設しました。そのため、現在世界遺産に指定されたメキシコシティの旧市街地区のスペイン風建築の下にもアステカ文明の跡があるのではと言われていますが、世界遺産に指定されているものを下手にいじることが許されるわけもなく、本格的な発掘はされていません。
スペイン人に破壊されたものの、現在でもテンプロ・マヨールは当時のままを保存しているものがほとんどです。嵐の神トラロック、戦争の神ウイッツィロポチトリに捧げた彫刻や漆喰で仕上げられたガイコツの壁、アステカ建築の一部をそのまま見ることが出来ます。また、併設される博物館で発見された当時の品々を見学することが出来ます。約1469年ごろの儀式で使われたとされる土台が2011年に発見され、考古学者たちはこの15メートルに及ぶ構造をしたものはアステカの支配者を火葬するために使用されたと考えています。研究者の間では、アステカの皇帝の墓が初めて発見できるのではと気運が高まっています。
(写真:トリップアドバイザー提供)
1978年に地下の電気工事が行われた際に、発見されました。アステカの月の女神コヨルシャウキが描かれた彫刻で、15世紀のものと推定されています。円盤型のこの彫刻は、直径3.25m、厚さ30cm、重さ8.50トンと巨大です。
(写真:トリップアドバイザー提供)
スペイン人に征服された際に、アステカ建物が破壊され、その上にスペイン風の建築物が建造されました。それにも関わらず、遺跡の土台部分や彫刻などは良い状態で保存されています。当時の色合いなど、多くの遺跡で風化してしまったものの、テンプロマヨールでは一部当時の色付けを見ることが出来ます。
(写真:トリップアドバイザー提供)
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