1万年以上前、この地にはネイティブアメリカンが居住していた。それから長い年月がたち、1875年 キリスト教の一派・モルモン教徒のエベゼネル・ブライスさん夫妻がこの地に定住した。 誰もが「極寒の冬、肌寒い真夏」の厳しい気候のこの渓谷で生活するなんて不可能だと言う中、ブライスさんは一歩ずつ着実に開拓していったのだ。彼の功績をたたえ 「ブライスキャニオン」と名付けられた。
ブライスキャニオン国立公園となってからも、ブライスと名づけられたビューポイントがあるそこにはブライス夫妻の写真、詳細が掲示されている
標高の高い厳しい環境だからこそ創りえた大自然の最高傑作
アメリカ西部の大自然にはたくさんの国立公園や国定公園、州立公園などあるが、ブライスキャニオン国立公園ほど芸術を感じる場所は類を見ないと思う
水による侵食、風による風化もそうだが、標高が非常に高いこの土地の天候は、年間300日以上夜間の冷え込みが厳しく、 霜・雨水・雪が岩に浸透し凍りつく。そして日中気温が上がり凍った水が溶け、体積を増して岩が割れ、フィン、フードゥー(尖塔)になると言われている
※フィン:一枚岩の形状。フードゥー:孤立した一本の細長い岩
何故ブライスキャニオン国立公園全体がこのような形状になったのかは不明。大自然だけが成しえる芸術なのか?
車でラスベガスから出発し、インターステイツ15番ノース(北)に乗る
しばらく車を走らせると、右の看板が出てくる。2002年にソルトレイクで開催された冬季オリンピックの看板。ユタ州のシンボル・アーチーズ国立公園にあるデリケートアーチも載っている
メスキート(Mespuite)を過ぎ、セント・ジョージ(St. George)に向けてを北へ走っていくと、急に両サイドが切り立った崖に挟まれる。 バージンリバー・ゴージ(Virgin River Gorge)という場所
US-89を南へ、ペングウィッチ(Panguitch:ラスベガスから約3時間37分、378km)からUT-12を東に行くとブライスキャニオン国立公園へ到着
UT-12番に入ると、がらっと景色が変わる。ブライスキャニオン国立公園で見られる奇怪な岩々と同じような風化&侵食した岩がだんだんと現れる。レッドキャニオンと名が付けられており写真のアーチが我々を出迎えてくれる
*サンセット・ポイント、サンライズ・ポイント
ブライス・キャニオンに来たら、サンライズ・ポイントでの朝日を見なければ来た価値が無いといっても過言で無いほど、ここの朝日はすばらしい。おそらく国立公園どこを探してもここの朝日に勝るものは無いであろう。サンセット・ポイントの夕陽もすばらしいが、太陽の傾き加減で岩肌の色がここまで変化するとは驚きである。
*レインボー・ポイント
車両規制の為、5m以上の車両は乗り入れ禁止されており、公園の運営するシャトルバスにてのみ(一般ルートでは無く、追加料金がかかる)行く事が出来る。公園の一番奥にあるレインボー・ポイントはなんと標高が2700mもあり、グランドサークル周辺の国立公園では最も標高の高い位置にあるため、朝晩は夏でも大変冷え込む。ブライス・ポイント、サンセット・ポイント共に2400m以上、ハイキングには気温があまり上がらず良いが標高が高い分空気も薄く、ハイキングではかなり体力を消耗するので急に走り出したりしないほうが良い。
*ナバホ・ループ・トレイル
ブライス・キャニオンのもう一つ見逃せないアクティビティーに、ナバホ・ループ・トレイルのハイキングがある。サンセット・ポイントからスタートし、標高差521フィート(159m)を下り、往復1.4マイル(2.2km)所要時間約1-2時間の中級者向きループトレイルである。Wall Streetと呼ばれる狭くて深い谷底には太陽に届こうと細く高くモミの木がのびている。 Thor’s Hammerと名付けられた奇妙な岩も間近に見る事が出来る。
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