ヤド・ヴァシェム。旧約聖書のイザヤの56章5の詩にある「名前と記憶」という意味があるこの施設は、イスラエルの首都エルサレムのヘルツルの丘にある。
日本語では主に「ホロコースト記念館」「ホロコースト博物館」などで訳されており、ナチス・ドイツによる600万のユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の犠牲者達を慰霊するためのイスラエルの国立記念館であり、世界中から多くの観光客が訪れる。
広い敷地内には、ホロコースト歴史博物館をはじめとして、公文書保存所、図書館、出版所、教育センター、ホロコースト研究国際学校、シナゴーグ、記念碑(「子供記念碑」、「記憶の広間」など)、ホロコースト関連の芸術作品(絵画や彫刻など)の博物館など様々な施設が内在し、それぞれの活動が行われている。観光客にとっては歴史博物館がメインになる。
歴史博物館の主な展示内容としては、ナチスの台頭や、それ以前のユダヤ人迫害の歴史、各国での迫害状況などを、事実に基づき、ある意味公平な目線で映像や展示物などで分かりやすく学ぶことができる。映画や本などで知識としてはある事が、より深く考え、感じさせてくれる。
子ども記念館では、犠牲になった子どもたちの名前をゆっくりと一つ一つ読み上げられていており、胸に迫る。
現在のイスラエルを観光するにあたって、ユダヤ人の迫害を含めた歴史の知識を深めることは、旅をより意義のあるものにしてくれるかもしれない。旧市街など他のスポットから少し離れているが、是非訪れていただきたい。
なお、ナチスの迫害からユダヤ人を守った非ユダヤ人は、ヤド・ヴァシェムより「諸国民の中の正義の人」とされ、日本人では杉原千畝さんの記念樹もある。
■開館:9:00~17:00(木曜~20:00、金曜・祝日前~14:00)
■入場無料(10歳未満の入場不可)
■休日:土曜、祝日
■行き方:エルサレムからバスNo.16, 20, 21a, 28, 28a, 99
■詳細HP:http://www.yadvashem.org/
ホロコースト犠牲者の約600万人のうちの200万人以上の個人名と記録が収められている部屋。天井のドームには犠牲者600人の写真が貼られている。
近隣情報