避暑地として名高いラヴェッロ。かつて貴族が、こぞって別荘を建てた土地だ。このヴィッラ・ルーフォロは13世紀に建設された当初は、“宮殿”と呼ばれるほど、壮麗な建物として知られた。その後、所有者が次々と移り変わり、次第に荒廃していってしまった。しかし、19世紀末から20世紀にかけて、スコットランド人のネヴィル・レイド氏が大規模な修復を行い、かつての優雅な佇まいを取り戻した。なかでもその庭園の美しさは秀逸。花壇には色とりどりの花が咲き乱れ、その背後に浮かぶ美しいアマルフィ海岸の景色と共に、今もなお訪れる人の目を楽しませている。
また、ここはワーグナーが自身最後のオペラ『パルジファル』の着想を得た庭園と言われている。それを記念し、毎夏この庭でクラッシックの野外コンサートが行われている。海にせり出すように設けられた特設ステージで、オーケストラが演奏を繰り広げるのだ。世界中から音楽愛好家が駆けつけるコンサートは、クラッシックファンならずとも興味がそそられる。
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